静かに壊れていく秒針たちが

詩メインで、あとは徒然に音楽のことなど

透明

透明を欲しがって色がついた

静脈と動脈の絡まり合う場所から

声を発するまでの遠い距離間に孤独を感じても

ふらふらと歩き回れるだけの無駄なエネルギーは確保して

どうにでもなれと思いながらどうにかなるかなんて期待して

自分には期待しないのに偶然に期待するなんて無謀な策で

今日を転がして行けると思っていた

 

吐き気を覚えるような焦燥はもうなくて

ゆるい坂道のような怠惰と絶望があって

それで生きているんだから そう悪くもないかなんてごまかして

それでいて自分は騙したくないななんてありもしない自分求めたりして

ああ 変われるって願いがそもそも変わりもんだって呟いた

 

透明を欲しがって

七転八倒まではいかずとも転んで血が流れて

こんなに痛そうだろうって傷を見せつけるのにも無粋を感じて

吐かないかわりに儚さを欲しがった

透明にはなれないから

透明になる日まで生きるとゆるく考えた

透明になる日

その日のまえに

その日を前に

生きていけると思った