適当な痛みと妥当な空疎
でたらめな言葉で傷つけたのは
気まぐれな始まりの頃からずっとそうだったという理由
分析しても分解できないなら弁解もきっと無理で
歯車を狂わせるのも
そもそも組み立てからずれていたというオチ
眠りの浅い兎は案外とタフネスに溢れていて
傷ついた振りで振り切って遊んでたりする
知らないようで知っていたけど
それだって結果としての嘘
結果論ですら諦めに似てしまう
でまかせで始まったことが
愛と呼ばれる何かに似るなら
おおまかに泳ぐ生き物は全て魚
鯨だって魚
哺乳類でいいと言ってみても魚
そういう強引さと軽薄さで抱き合って紡いだ物語の接木
手を振るのはさよならとこんにちは
そしてまた抱き合って虚ろになって
ほら透明だ
一つになった予感と勘違いと悪寒
ぎこちない笑いを交わす
互いに
次第に
誰かが傷ついたなら
誰もが傷ついたと平然と言い切って
君の顔を見てから遠くを見るんだ
傷つくために
傷つけるために