静かに壊れていく秒針たちが

詩メインで、あとは徒然に音楽のことなど

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

傷つけ、傷つけられる場所へ

Syrup16g【Hurt】発売から、毎日それを聴いている。 ずっと、彼らを待っていた。 あの武道館のLast Waltzから、あの終幕の光に満ちた武道館から。 バンドが解散して再結成するということは、実はそこまで珍しいことではない。 けれど、UNICORNもそうだったし…

透明

透明を欲しがって色がついた 静脈と動脈の絡まり合う場所から 声を発するまでの遠い距離間に孤独を感じても ふらふらと歩き回れるだけの無駄なエネルギーは確保して どうにでもなれと思いながらどうにかなるかなんて期待して 自分には期待しないのに偶然に期…

Hallelujah Hameln

星の降らない月に果てた 子供たちの残骸に縋り付き涙する獏 夢を見ない 現実にも瞼を閉じた 人々の群れ レミングスかハーメルン 血の色も薄れて 花鳥風月 火口の誘い 熱帯夜の雨 気狂いピエロ 舞踏曲と鎮魂歌 月に焚かれた星々の記憶 それはきっと幽霊のよう…

微か

蝉か蜉蝣のように この想いが終わってしまったら 全てを終わらせるとしても怖くはない 物語は続いていく そこに確かに けれど微かな痕跡があるのだとすれば それは歴史 情感の果てに残る 微かな歴史

アスパラガスガラパゴス

世間体に栞を挟んで 一時保留 旅に出よう 適当な電車で何となく途中下車 薄汚れたイタリア料理屋の 伸び切ったラビオリの付け合わせにアスパラガス それだけが瑞々しく ぷちりと噛み切ると水分が浸透していった澱んだ河に水を流す 理屈を知らない子供の笑み…

ぬるさ

雨の日 ビール ため息とため息の間の息継ぎに紛れ込む静かな喜びは しとしと 狂ったような正確さで 僕の右から左までの空間に満ち始める ペインキラーの名前と 好きだった女の子の名前 並べて 覚えて それは紛れもない好奇心と追憶の混合物 流想 夢想家 幻想…

永訣の森

夜の鳥 風邪を引いた三日月が断面的に水面に映る頃 身を縮めて震えに耐える 鼓動の数だけ泣くように 震える体を自ら抱く 星が落ちた記録 その穴に隠した気持ち 覗くこともなく 干からびて忘れられていくだけで それが寂しいと星は嘆いた 夜の鳥はそれを聞く …

白日、白夜、海の月

遠くに星が見える そう思うのは星に住んでいるから ありふれたラフレシア 食べるために生きて 生きるために食べる 奪い合うために欲するなら この発心も発疹じみた病気 彼方を望む そう思うのはここが嫌いだから どこに居るのかわかっても居ないのに 凍土の…