静かに壊れていく秒針たちが

詩メインで、あとは徒然に音楽のことなど

hate machine

静粛性の高い悪意と憎悪 それは愛に似ている 定義されたまま蹂躙される愛 オセロのようなものだとすれば どちらにしてもおぞましい 綺麗は汚い 汚いは綺麗 素敵なグロテスク ロマネスク 神棚にビール 勝手に陶酔されがちな彼らに捧げよう 創造主の想像 たか…

送信の後で全ては終わってしまうから

噛み砕いた秒針 静かに壊れていく心臓 ハロウウィンの後 融けだした憂鬱と歓喜 病弱で脆弱なこの身体を 捧げよう 悪夢の始まりは 良かった夢の続きで それすら捨て去って 何も残すことはない 思い残すというが 思うことももうありはしない 静かに壊れて逝く …

乾杯

転がる日々 丸くなるのは転がるから 研ぎ澄まされてすり減って 最終的にはなくなってしまう 知りながらも転がる 石 ローリング・ストーンズ 煙となって消えていく 発情のち蒸発 情念の海に沈み 溺れるならいつだって 青年期から壮年期 夏から冬へ 終劇 何時…

そしてサーカスは南へ

苦笑いのピエロ 港町で興行 サーカス 火の輪 マスカラの音が響く 火を吹く男 レゲエ サルサ 民族音楽の宴 ビー玉で遊ぶ女の子 港は今日も騒がしい サーカスと人攫い 誰かが誰かを連れて行く 安価なハーメルン あるいはブレーメン 楽隊とサーカス 何処へ 何処…

TAMTAMと揺れる音

TAM TAMを聴く。 あまりレゲエだのDUBだなとは思わない。 気持ち良い音だなと思う。 とりあえず、それでいいのではないか。 地方都市在住の自分は、そうそうTAMTAMの音に触れることはできぬのだろう。でも、どこかの夜にふらっとライブに行ってみたいなと思…

安定しない不定形の何か

素晴らしい昨日に 感謝を 眠い猫を抱くように 髪を撫でる トウモロコシのヒゲ 風に揺れる下着 不安定な心 彷徨う 黄昏た そして宵 バクテリアの博打で 全ては収束する さようなら さようなら さようなら

RISING SUN

ストレスを減らすためのストレス その価値観と資産価値はどれくらいだ 果てしないというけれど 何時か果てはあって そこで何を見ようか 何を見たいか 笑い転げて落ちる先に 陽は登る いつものいつかで きっと明るい場所にたどり着ける どこまで落ちても きっ…

空と空の間に

空気 研ぎ澄まされた空気 ありふれた日々も 天災の日々も 空気 或る空気 空 人々が求めた太陽と 畏怖すべき夜の間 澄み切った碧 そして漆黒の 空気 ただただ空気

僕らの

大きな樹の下で 小さな僕らは寄り添って 中ぐらいの夢を語り合う サイズレス 気ままに振る舞った昨日も 今日の不満も ひっくるめたまま 旅を続けよう どこかにたどり着けばそれがゴール ゴールデンスランバーズ 組曲の憂鬱 それを知りながらも 織り成そう 編…

覚醒めまで

夕凪の海原 呼吸と呼吸の中間地点で 観測地帯 星を それから君の心の煌きと 流星が堕ちて眠りから覚めるまで 繋いだままの手を放さないように 翻訳機能のついていない鼓動の対話で 少しでも少しずつ 知り合えたらいい 知り合えたら スヌーズ そう何度でも 繰…

Lies Lies

嘘だけが優しく 雨の中で微笑んでくれる 本当のことなど欲しくない 騙されることで救われる 真実だけが切り裂く 正義の国で 玩具は踊る 無骨に 無駄に 諦めてから 救われる事に気付き始めた サイレントベル 聴いていた 嘘だけが

種を蒔く人

どれだけでも 笑える種を蒔こう それであなたが笑うなら 報われないことを前提にしたそれも報われるから

散文の位置

眠らないビートルズ 白骨のジョン・レノン ジョギングをするミック・ジャガー あくびをする俺 蜻蛉の溢れる空 高い秋 暴走する正義感 悪の華 鈍い音 正しい銃声 受精と幻滅 ラリパッパな国 競走馬の孤独 高級外車の鬱屈 ロマンスカー破壊 底辺の愉悦 彷徨う…

白い夜

白い夜嘘に色がつく名前を知らずに抱き合ってこんなにも 確かな不確かさ

誕生と忘却の波止場で

ルールのためのルール そのツールとしてのルーツ 変なこだわりがなくても それなりにしんどいから 回り続ける回転木馬に火を放つ サクマドロップスの空き缶 金魚の絵柄の紙を貼り付ける 張り詰めた意識とそれを照らしあわせ 蓮華の花を思い出す 祈るように殺…

うつくしいうた

うつくしいうた それだけで世界を壊してしまうようなうつくしさ 現し世の空蝉 素晴らしい忘却と偉大なる嘘と 泳ぎ方を忘れた魚のため息と それらで構築された音楽 夕日を飲み込んだ海で 人魚はいつまでも踊り続ける 銃声はもう聴こえなくなって 同時に誰かの…

VANISHING

おそらく世界なんてもうなくて あるのは亡霊の追憶だけ 幾つもの物語も全て語り終えられて 後に残るのは何もない 星になった命もまた 消えていく 消えて また消える

見つけた永遠の足跡を笑う

たくさんのふしぎ いくつかのあたりまえ 操作されない心のままで それらを器用に撹拌しよう 分離と離反 引き裂かれる己と己 けれどそれこそが現実的な姿 素晴らしくもなく生々しい 褒められたものではないが けなされるべきものでもない 素顔でも化粧でもそ…

混ざりあう

悲しみが愛しいのはそれがリアルだから嘘ですら嘘にならない時代にそんな現実を抱き締める愛しさが怖いのは際限がなくなるから本当の愛なんてないよそれぞれの愛があるから感情は交差し交わりながら求めあう絡み合いながら溶けていく

【day dream】

砕けた硝子の音 粘土の奥の感情 欲したのは温度 得たものは湿度 忘れた頃に取り戻す 損失補填のための吐き気のする打算 吐けない自動装置 Automatic幻想 考えの足らないalchemist 限のない霧の中で 包括的な総括を 自主規制 逆再生を巻き戻しし 過去を取り戻…

似あうのは

不幸せが似あうのは 長い間下を向いて暮らしているから 上を向いても上向かない事に項垂れて その重さで固定されて沈むばかり 青い鳥を欲しがるけれど 鳥かごに入れるのは厭だなんて 偽善者にすら届かない 半分だけの使命感を指名して 結局は持て余す だらけ…

薔薇の瞳

場違いな薔薇が 霧の中で咲き続けていても それを見る人がいなければ報われはしないか 薔薇は薔薇として刺の中で眠る 自分を傷つけて 同時に温めて 笑いながら涙を流すように 咲き続ける 枯れたかったから花は枯れた 遠い山に光る何かを 見たくないからと枯…

NIRVANA

取り急ぎ憂鬱に涅槃 百科事典もデジタル化された世の中で 頁を捲る音で空気を切り刻む 微塵斬りの五里霧中 パセリの匂いとセロリの味と それらを飲み干してため息を送り出した 絶望のバーゲンセール 希望もまた廉価版 信じられるものといえば確かな痛みだけ …

可燃物として

欠落感があるから 特出した何かが手に入るなんて定型文で 自分の願望を諦めさせる旅路 先生それはどんな症例ですか 奨励される普通のオンパレードにげんなりして パレードを抜けだして裏地でビールをあおる 寂れたバス停 電灯の点滅 意識もシンクロして消え…

眠りの中で抱きあうように

向日葵の側で眠る猫 再生の約束 繰り返される生命の連鎖の果てで いつか果たされるべき約束と終焉 片目を閉じたままの羊 拡大コピーを繰り返され元の姿を失った聖書 猫は爪を研ぐ 向日葵は眠る この世界の最後の日が来ても どこかで生命は満ちていくから き…

笑いながら恋は雨に流されて消えた

椿屋四重奏が十二分に評価されきらなかったことは、安全地帯やCHAGE and ASKAという名前をJ-POPやニューミュージックに押しやってしまったこの国の音楽状況とリンクして、なんだかやるせない。 中田裕二というシンガーが持っている歌謡曲テイストと和を感じ…

拍動

始まりの音 胸の中で 心の中で 紡いでから泣いた 繋がらないから 温度の交換 感情の盗人 あなたがあなただったから この拍動は始まった 嵐の夜に生まれたあなた 笑う日差しの下 涙も乾いたら 静かに 静かに 目を閉じて拍動を鎮める 遠い日の 懐かしい音

再生

期待を枯らして 種を収穫する ほぼカラカラでカサカサのそれを 再生の大地に蒔こう 砂漠に花を咲かせるように 日々に水を求めていこう 最高の最低を 驚愕的な普遍を 壊された玩具を修理して 握りしめた手のひらを開いていこう

オーダーメイド

ダストシューターにダイブ ゴミに紛れればゴミな気分も目立たなくなるだろう 調和 共生 矯正 強制 そんなもん 要らないんだよ馬鹿野郎 本気で生きるほど本当に息苦しい エゴもレゴ 定形の憂鬱で組み上げられ 誰の悩みが誰と共振するのかなんて耐震偽装 感情…

簡素な淡さと冷酷な夕刻

甘い曖昧 ペンネグラタンの材料を買いに彼女の家の近くまで 口実 あらゆる可能性の中から一番遠いものを選んでから 後悔への航海 どうせ何時かどうにもならなくなると くしゃみしながら 哀しい予感 それでもいいかと 彼女の家に向かう 行きたい場所はいつだ…