静かに壊れていく秒針たちが

詩メインで、あとは徒然に音楽のことなど

誕生と忘却の波止場で

ルールのためのルール

そのツールとしてのルーツ

変なこだわりがなくても

それなりにしんどいから

回り続ける回転木馬に火を放つ

 

サクマドロップスの空き缶

金魚の絵柄の紙を貼り付ける

張り詰めた意識とそれを照らしあわせ

蓮華の花を思い出す

祈るように殺して

願うように生かして

いずれにしても消えていくけれど

 

ラフレシア

生存確認の甘い言葉で

すすり泣く声も

ほそぼそと笑う声も全てが全てだ

 

ほら星が消え

ほら海が生まれた

うつくしいうた

うつくしいうた

それだけで世界を壊してしまうようなうつくしさ

現し世の空蝉

素晴らしい忘却と偉大なる嘘と

泳ぎ方を忘れた魚のため息と

それらで構築された音楽

 

夕日を飲み込んだ海で

人魚はいつまでも踊り続ける

銃声はもう聴こえなくなって

同時に誰かの笑い声も聴こえなくなった

 

塗りつぶせ

塗りつぶせ

好きな色で

塗りつぶせ

 

悲しい歌も喜びの歌も等しく

うつくしいうた

うつくしいうた

見つけた永遠の足跡を笑う

たくさんのふしぎ

いくつかのあたりまえ

操作されない心のままで

それらを器用に撹拌しよう

 

分離と離反

引き裂かれる己と己

けれどそれこそが現実的な姿

素晴らしくもなく生々しい

 

褒められたものではないが

けなされるべきものでもない

素顔でも化粧でもそれは仮面の一つ

 

少しの不思議と

たくさんの当たり前

それだって変わっていくから

永遠を探さずに一歩を踏みしめる

混ざりあう

悲しみが愛しいのは

それがリアルだから

嘘ですら嘘にならない時代に

そんな現実を抱き締める


愛しさが怖いのは

際限がなくなるから

本当の愛なんてないよ

それぞれの愛があるから


感情は交差し

交わりながら求めあう

絡み合いながら

溶けていく

【day dream】

砕けた硝子の音
粘土の奥の感情
欲したのは温度
得たものは湿度


忘れた頃に取り戻す
損失補填のための吐き気のする打算
吐けない自動装置
Automatic幻想

考えの足らないalchemist
限のない霧の中で
包括的な総括を
自主規制

逆再生を巻き戻しし
過去を取り戻した勘違い
そして失う現在は
回遊魚の餌としてのプランクトン

乾いたジャム
貼りつかせた頬
ひりつかせた喉で
歌う人魚の人形を愛そう

愛した明日に呪われながら
夢を紡ぐ夢を見る
コンパスを持たない吟遊詩人たちへの鎮魂曲

似あうのは

不幸せが似あうのは

長い間下を向いて暮らしているから

上を向いても上向かない事に項垂れて

その重さで固定されて沈むばかり

 

青い鳥を欲しがるけれど

鳥かごに入れるのは厭だなんて

偽善者にすら届かない

半分だけの使命感を指名して

結局は持て余す

だらけた坂道の中頃

 

太陽に眩しさを求めないから

影と語り合って落ち着いたりして

影踏みもそもそもなんだか申し訳なく

縄跳びを楽しんだのはそういう理由がひとつ

 

幸せが似合わないのは

上も下も向きたくないだけで

明らかに迫害されたように思ってしまうから

それだけの理由から始まる憂鬱は

長く遠い日々に膨らんだケーキのようだ